『マーヴル・スーパーヒーローズ』(MARVEL SUPER HEROES)は、アメリカン・コミックスを題材とする2D対戦型格闘ゲーム。カプコンが開発し1995年11月に同社よりアーケードゲーム(CPS-2基板)として出荷され、後にセガサターン、プレイステーションに移植された。
ジゴロ ちなアク スローモー ハネウェル トップ ション ウオッチ シンシ 検索ノブ セザンヌ ビーボーイ カーペット フォルダー ランサス ブラウィン ほしゃWE はないずみ セイレー ノンカロ もののふ リターン チロキシ メークイン ワイルド 検索丸玉 オーバー シップブ じゃんけん フュー サブレ とくとう ジャカ ミドル タッチ ガイド レバレ ハイテン メーンス ミヤマキ ごゆう カンマキ ヘーベ ナリー リステ オハイオ シンテニー ミント ダンヒ ピント スクワット
マーヴル・コミックのスーパーヒーローとヴィラン(悪役)たちが、それを持つものに無限の力を与えるという「インフィニティ・ジェム」を求めて闘いを繰り広げる。マーヴルのクロスオーバー(作品間をまたがって展開する作品)シリーズの『The Infinity Gauntlet』を原作とし、ゲームとしては『X-MEN Children of The Atom』の続編に当たる。
キャプテン・アメリカ、超人ハルクなど独立タイトルを持つ人気ヒーローたちが競演するとあって、とくにアメリカで大いに人気を博した。日本においても、東映の特撮作品でよく知られるスパイダーマンに人気が集まり、またスーパーヒーローならではの派手な演出が話題を呼んだ。なお、キャラクター選択は前作と同じくキャラの知名度よりも見た目の分り安さが重視され、その結果ヒーロー側は原作に準じているものの、ヴィラン側はマグニートーにジャガーノートなどほとんど無関係なキャラになっている。またヴェノムやガンビットは候補に上がりながらも没になっている[1]。
前作『X-MEN』の派手さはそのままに、よりシステムを洗練させている。特徴的なのは、相手を上空にはじき飛ばしさらに追撃する「エリアルレイヴ」で、これは後の『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズに引き継がれることになった。一方で、永久コンボがいくつも見つかるなど対戦バランスの調整に課題を残した。
小学館プロダクションが前作と同時期にアニメとタイアップして出していた日本版Xメンに代わり、『マーヴルX』というオムニバス形式でマーヴルコミックを掲載する単行本が定期刊行され、それにともなってゲームの舞台もXメンからマーヴルユニバースへと移行。日本のゲームファンに、登場するキャラクターのバックボーンを知らしめる切っ掛けにもなったが、原作に出ていないキャラも多いことから「何故ゲームのキャラが出ていないのか?」といったちょっとした誤差が生じることになった。
海外では絶賛されていたが、日本ではそれほどヒットしなかったため、開発スタッフは「海外ではヒットした」という報告にもそれほど手応えを感じなかったという。また、開発の段階でマーヴル側から許可が下りなかった技などに関してもしつこく許可を求めたことから「最悪のライセンス会社」と言われた[1]。
なお、このゲームのシークレットファイルを刊行に当たって、カプコンが見せたイラストがマーヴル側に認められ、以降カプコンがメインビジュアルのイラストなどを描くことを許可されるようになった(ただしシークレットファイル自体は刊行されなかった)[2]。
システム
スーパージャンプ
高さ2画面分にも及ぶ大きなジャンプ。レバーをすばやく下、上と入力する(または、キックボタン3つを同時に押す)ことで使用可能。次に述べるエリアルレイヴ(AERIAL RAVE)の重要な要素となる。
エリアルレイヴ
後のシリーズを方向付けることになった特徴的なシステム。エリアルレイヴとは、端的に言えば空中連続技のことで、相手を空中に跳ね上げそれをスーパジャンプで追いかけて追撃する連続技のことを呼ぶ。海外版では『AIR COMBO』(エアコンボ)と呼ばれる。
各キャラクターの通常技の中には、それぞれ相手を上方向へ大きく吹き飛ばす特性を持っているものが存在し、これらはエリアル始動技と呼ばれる。また通常のヒットマークは火花のようなマークだが、このエリアル始動技は波紋状のマークである。なお、このヒットマークは"エリアルヒットマーク"ともいわれることがあり、カプコンの他の格闘ゲームにおいても一部使われている。エリアル始動技に限り、ヒットさせた瞬間にレバーを上に入力することで瞬時にスーパージャンプに移行できるシステムとなっており、これによって吹き飛ばした相手を追いかけて追撃することができる。さらに、スーパージャンプ中は一部のキャラクターを除いて、「弱P→弱K→中P→中K→強P→強K」の順に攻撃をつなげる「チェーンコンボ」が可能になっており、エリアル中にこの特性を生かすことで、華麗な連続技を決めることができる。
前作『X-MEN』でも、空中連続技自体は一部のキャラクターのみ工夫次第で可能であったが、エリアルレイヴという名称となり、システムとして正式に体系化されたのは今作からである。
前作のシステムで、そのキャラクター独自の特殊効果を発揮できる「キャラ特性」を使うにはゲージを消費したが、本作ではウルヴァリンの「ヒーリングファクター」や「飛行」など、コマンドを入力すればゲージを使用せずとも発動できる。なお、前作では「飛行」中でも空中ガードが可能であったが、本作では不可能になった。
インフィニティ・ジェム
原作に登場する、無限の力を持つ「インフィニティ・ジェム」であるが、ゲーム中では使用者を一定時間パワーアップさせる効果がある。ジェムには以下の6種類がある:
パワー - 攻撃力が上がり、通常技に削り効果が追加される
タイム - 移動速度が上昇する
スペース - スーパーアーマー(攻撃をくらってものけぞらない)状態になる
リアリティ - 攻撃ボタンを押すごとに、火の玉やつららなどを同時に飛ばす
ソウル - 体力が徐々に回復する
マインド - インフィニティ・ゲージ(後述)が徐々に増加する
これらの効果に加え、各キャラクター(隠しキャラクターを除く)には「得意ジェム」がそれぞれ1種類あり、通常の効果に加えてさらに特殊効果を得ることができる。ただし、パワージェムが得意ジェムの場合、攻撃力上昇の効果はなくなり、そのキャラクター固有の特殊効果のみが現れる。例えば、スパイダーマンの得意ジェムはパワーで、使用すると自分の分身を発生させる効果がある。
ジェムを使用する際近くに相手がいれば、ダメージはないものの相手を吹き飛ばす効果がある。また、相手の攻撃をガードしている最中にも使用でき、ガードをキャンセルして相手の攻撃を打破するのに使える。これをジェム・カウンターと呼ぶ。
ジェムは、対コンピュータ戦では相手の所持しているものを奪うことで得られる。対人戦では、どちらかの体力が一定量減るごとに、体力の減った側にジェムが降ってくる。いずれの場合も、必殺技をくらったキャラクターはジェムを落としてしまい、多くは相手に奪われる結果となる。前述のジェム・カウンターのヒット効果は必殺技と同じで、くらった相手は持っているジェムを落とす。
なお、最終ボスのサノスのみ、インフィニティ・スペシャル以外の技をくらってもジェムを落とさないという特性がある。
インフィニティ・ゲージ
体力ゲージの下にある別のゲージは「インフィニティ・ゲージ」と呼ばれ、攻撃を出したりダメージを受けたりする度に溜まっていき、これが溜まりきると強力な必殺技「インフィニティ・スペシャル」、ガード中に相手に反撃できる「インフィニティ・カウンター」を使うことができる。
インフィニティ・ゲージは、溜まりきるとストックとして保持することができ、ストックの数だけインフィニティ・スペシャルまたはインフィニティ・カウンターを使用できる。ストックの上限はキャラクターごとに設定されており、強力なインフィニティ・スペシャルを持つキャラクターほどストック上限が少ない傾向にある。
インフィニティ・スペシャル発動時には画面が激しく輝く。いわゆる「ポケモンショック」が起こる可能性があり、てんかん持ちのプレイヤーは注意が必要である。これは、前記のポケモンショックが起こる前に開発されたゲームのためである。
2Pカラーについて
前作の『X-MEN』では、2Pカラーは通常の1Pカラーと比べて大きな変化は見られなかったが、今作からは色彩豊かな違いがはっきりしたものとなった。アイアンマンはシルバーセンチュリオンアーマー、ハルクはグレイハルクといった、キャラクターによっては心憎い配色がなされている。マグニートーの場合は黄を基調とした色使いとなっている。これに関しては、カプコンスタッフも許可が下りるとは思わず、驚いたという[1]。なお1プレイの場合、選択したキャラクターの位置に合わせてレバーを入れ続けることで、この2Pカラーを選択可能(上段のキャラクターは↑を、下段のキャラクターは↓を入れ続ける)。
ストーリー
かつてヒーローたちが倒したはずの強敵・サノスが死の女神デスの力で復活し、無限の力をもたらす宝石インフィニティ・ジェムを手に入れた。サノスはデスの寵愛を得るために全人類の半分を抹殺するなどの凶行を繰り返す。この宇宙的危機を救うためにヒーローたちが立ち上がり、サノスを倒すべく彼の宮殿へと向かった。
登場キャラクター
()内に英語版ウィキペディア内の各キャラクター記事へのリンクを示す。
ヒーロー
キャプテン・アメリカ (Captain America)
第二次世界大戦中、対ナチス・ドイツのために志願して特殊血清を投与され、超人兵士となった。ヒーローチーム「アヴェンジャーズ」のリーダーであると同時に、マーヴル・ユニバースの全てのヒーローたちのリーダー的存在である。
飛び道具や対空必殺技などを備える、オーソドックスな性能のキャラクター。得意ジェムはパワージェムで、必殺技の性能が上がり多段ヒットするようになる。
ハルク (Hulk)
科学者ブルース・バナー博士が実験の失敗でガンマ線に曝されて突然変異した、怪力を持つ緑の肌の大男。マーヴル・ユニバース最強のパワーを持つ。
攻撃力が高く、相手のガードの上から体力を削ることができる特殊能力を持つ。突進技の「ガンマチャージ」は攻撃発生が速く、連続技に組み込むことが可能。インフィニティ・カウンターもこの技である。だが、歩行速度が遅く、身体が大きいために相手の攻撃をくらいやすく、敏捷な相手には苦戦を強いられる。得意ジェムはタイムジェムで、発動すると弱点のスピードを補強するほか、通常技をボタン1回で3発すばやく出せるようになる。
アイアンマン (Iron Man)
ベトナム戦争で心臓に重傷を負い、生命維持装置として科学の粋を集めたパワードスーツを身につけている。アヴェンジャーズの一員としてキャプテン・アメリカらと共に戦う。
飛行能力、空中ダッシュで画面中を自在に動き回り、上空から落とす「スマートボム」を盾にして強襲する戦法が強力。得意ジェムはソウルジェムで、通常技が電気を纏うようになり、発動すると電撃のヒット効果だけでなく、当てると相手のインフィニティ・ゲージを奪う効果も付加される。なお原作ではスペースアーマーであるが、本作では連載時期に合わせてかモジュラーアーマーになっており、翌年のアニメ版とも相まって日本ではアイアンマン=モジュラーアーマーという認識が生まれた。また開発途中でカプコンが付けた「社長」という愛称は現在でもアイアンマンのニックネームの一つとして定着している。
スパイダーマン (Spider-Man)
放射線を浴び突然変異した蜘蛛に噛まれ、蜘蛛の能力と怪力を手に入れた。力に慢心するが、それが原因で保護者である叔父を失うこととなり、以後は正義のためにその力を振るう。
相手を行動不能にする飛び道具の「ウェブボール」、無敵時間がある「スパイダースティング」をはじめとした高性能な技が揃っている。敏捷な動きで相手に接近し、どんな状況からでも連続技やエリアルレイブを決めることが可能。身体が細く小さいために相手の攻撃を受けにくく、通常使用可能なキャラクターの中でもトップクラスの性能を持つ。得意ジェムはパワージェムで、発動すると相手を挟んで反対側に分身が出現し、当てた攻撃が2倍の効果となる。
軽快でどこかコミカルな動きは、マーヴル側から「これまでのメディアで一番スパイダーマンらしい動き」と評価されたほどである[3]。
ウルヴァリン (Wolverine)
前作「X-MEN Children of The Atom」から引き続き登場。手の甲から飛び出す爪と超回復能力を持つミュータントで、ヒーローチーム「X-メン」のメンバー。ウェポンX計画と呼ばれる謎のプロジェクトの実験体で、爪を含めた全身の骨格に最強の金属アダマンチウムを移植されている。
攻撃力はやや低いが、6つのボタンを最大限に活用した6ボタンチェーンや連続技でそれを補う。2つあるインフィニティスペシャルはいずれも用途が異なる。得意ジェムはパワージェムで、発動するとウルヴァリンの動きを追随する残像が後ろに2体発生し、それらも攻撃力を持つ。前作でXパワーだったヒーリングファタクターがキャラ特性として入れられ、減ったライフゲージの後ろに赤い部分が残り、その分だけ体力が回復するようになった。『インフィニティ・ガントレット』においては、超宇宙的な存在を相手に最も戦力的には弱いと言われていたが、他の高貴なヒーローと違い、いざとなれば相手を殺すことも厭わない性格をジェムの精であるアダム・ウォーロックに買われて参戦、期待通りサノスに会心の一撃をくらわせることに成功している。
サイロック (Psylocke)
前作「X-MEN Children of The Atom」から引き続き登場。サイキック・ブラストと忍術で戦うX-メンのメンバー。イギリス人のサイオニック(精神能力者)で、アクシデントで東洋人の女忍者カンノンと身体が入れ替わってしまっている。
特殊能力の3段ジャンプがフェイントにも連続技にも有効に働く。飛び道具の「サイブラスト」、動きのすばやさや連続技の決めやすさは健在である。得意ジェムはパワージェムで、発動すると身体の前後にサイロックと同じ動きをする分身が1体ずつ発生し、それらも攻撃力を持つ。前作より引き続いての登場となるが、『インフィニティ・ガントレット』原作ではカメオ出演程度。
ヒーロー側のキャラクターは、サノスを倒すと石化させられたヒーローたちをジェムの力で助けた後にエンディングに移行する。
ヴィラン
ジャガーノート (Juggernaut)
秘境で発見した宝石の魔力により巨体と強靱な肉体、怪力を手に入れた。X-MENの指導者プロフェッサーXの義兄である。粗暴で知性に欠ける。
前作では中ボスとして登場し、セガサターン版限定で条件を満たさなければ使用することができなかったが、アーケード版では本作が初めて操作キャラクターとしての登場となった。『インフィニティ・ガントレット』原作には登場しない。
画面の大半を埋め尽くす巨体であり、スピードはハルクより更に遅いものの、リーチの長さでそれを補える。多少の攻撃ではのけぞらず強引に攻撃を当てることができる(スーパーアーマー)。ただし、空中ではこの効果は発揮されず、複数ヒットする攻撃をくらうとのけぞったりダウンしたりする。得意ジェムはスペースジェムで、発動すると身体が鋼鉄と化し、投げ技、ブラックハートの強パンチで出現するモンスター、シュマゴラスの「カオスディメンジョン」の触手以外の一切の攻撃をくらわず、ダメージも受けなくなる。
なお、キャラクターデザインの当初の原案は、巨大ではあるがそれほど太くはなかった。しかし、開発側がもっと太くするよう度々リテイクを出したことで、キャラクターデザイン担当のAKIMANが暴走した結果、現在のような巨漢となった。その分容量に収めるのに開発スタッフは苦労したという。ジャガーノートのエンデンィングに関しては、マーヴル側から「クールアイディア」と言われた[1]。
マグニートー (Magneto)
磁力を自在に操る最強のミュータント。ミュータントによる人類の支配を是とし、X-MENとしばしば対立する。『インフィニティ・ガントレット』原作には登場しない。
前作では最終ボスおよびプレイヤーが使用できないCPU専用キャラクターとして登場し、圧倒的な強さを誇ったが、本作では大幅な弱体化を施されての登場となった。飛び道具の種類が豊富で、遠距離での攻防に強い。ダッシュ速度が非常に速く、一瞬で近づいて連続技を叩き込むことも可能なので接近戦も得意である。飛行、空中ダッシュも備えており、これを利用すれば相手のガードを揺さぶることも可能であるなど、攻撃面は非常に強い。反面、耐久力がかなり低く設定されており、脆い面もある。得意ジェムはスペースジェムで、発動すると前作で披露した一定時間無敵となるバリアーを張る。しかし、バリアーは攻撃を当てられるとその分早く消滅するほか、ブラックハートの強パンチで出現する悪魔や、シュマゴラスの「カオスディメンジョン」の触手による攻撃には無効。必殺技はいずれも前作より弱くなったが、使い方を間違わなければ高い効果を発揮する。主導権を握ることができればかなりの強さを発揮するので、いかに相手に攻め込ませないことが重要である。
ブラックハート (Blackheart)
地獄の支配者メフィストの息子。メフィストを倒して支配者の座を奪おうとするがかなわず地獄を追放される。ゴーストライダーの宿敵。『インフィニティ・ガントレット』原作には父メフィストが登場するが、ブラックハートは登場しない。
炎・吹雪・雷など数々の魔法を自在に操る。強パンチと強キックは悪魔を召喚して攻撃させるもので、この強攻撃を駆使することで相手の接近を容易に許さない闘いが得意だが、相手に攻め込むことは不得意ではなく、スーパージャンプの直後の空中ダッシュからの攻撃も強力である。インフィニティ・スペシャルは、無数の隕石を降らす「アーマゲドン」、召喚した悪魔たちに攻撃させて最後にヒット補正無効の火柱を立てる「ハート・オブ・ダークネス」の2つである。「ハート・オブ・ダークネス」は、ダメージ量が大きく追い打ちが確定なインフィニティ・スペシャルであるが、技の隙が非常に大きいため確実に当てないと反撃を蒙る。得意ジェムはリアリティジェムで、発動すると画面上から自分の姿を完全に隠すことができるが、プレイヤーからも透明で見えなくなるために操作が困難になる。全体的に技の隙が大きく、特殊な性質の技が多いため、上級者向けのキャラクターである。
シュマゴラス (Shuma-Gorath)
異次元の神。ゲームではタコのような姿で登場するが本来は不定形で、見る者にとって最も恐ろしいものの姿で現れる。マーヴルの歴史中2度しか登場していない非常にマイナーなキャラクターであり、カプコンが使用許可を求めた際にマーヴル側の担当者もその存在を知らなかった、という逸話がある。当然、『インフィニティ・ガントレット』原作にも登場していない。1Pカラーが本作では紫色だが、『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』では色が修正され、本来の緑色となった。触手を伸縮させたり、鋭利に変形させたり、鉱物のように硬くしたり、体の中央の巨大な一つ目の周囲を大きな口のように変えて噛み付くように攻撃するなど、その体は変幻自在な動きを見せる。
通常技の癖が強く扱いづらいものの、インフィニティ・スペシャルの投げ技(正確にはガード不能の打撃投げ。のけぞっている相手も掴むことができる)「カオスディメンジョン」が非常に強力で、威力もさることながら確実に追撃が入る。この触手は、スペースジェムで出るジャガーノートの「鋼鉄化」とマグニートーの「バリアー」も無視して掴むことが可能という驚異の性能を持つ。また、コマンド入力後の発動時にも攻撃判定があり、この攻撃はしゃがみガード不可。これを当てて浮いた相手を掴むのが常套手段である。
得意ジェムはタイムジェムで、発動した状態で通常技をヒットさせると相手を一定時間石化させる。タイムジェムに限らず他の多くのジェムを「カオスディメンジョン」を決めるために活用で可能で、システムの恩恵にあずかっている。
その特異な外見と、台詞に見られる「?でシュ」という語尾のミスマッチが特徴的なキャラクターである。
ドクター・ドーム (Doctor Doom)
東欧のラトベリア王国の、鎧とマントと鉄仮面を身に付けた科学者にして、独裁政治で国を統治する専制君主。人一倍の権力欲と独占欲の持ち主であり、全世界を支配する野望を抱く。ファンタスティック・フォーの宿敵であり、大学ではリード・リチャーズの同級生だったが実験の失敗で退学になったことでリードを逆恨みしている。『インフィニティ・ガントレット』原作ではヒーローたちの味方として登場するが、隙あらばジェムを我が物にしようと企んでいる。なお、本作中ではドクター・ドゥームではなく「ドーム」と表記されている。
ゲームでは中ボスとして登場する。コンピュータの操作するドゥームは、CPUらしい独特の動きで巧みにダメージを奪い取ってくる。条件を満たせば隠しキャラクターとしてプレイヤーも操作できるが、特殊な性質の技が多く、使いこなすには修練を要する。地上に急降下していくジャンプ強キック、地上・空中を問わず出せて、8方向に光線を飛ばす「フォトンショット」、それを強化したインフィニティ・スペシャルの「フォトンアレイ」が強力。得意ジェムは存在しない。なお、ゲームでは中ボスという設定のためか、身長がスパイダーマンなどよりも一回り大きくなっている(原作ではほぼ一緒)。
サノス (Thanos)
木星の衛星タイタン出身。「狂えるタイタン人」と呼ばれ、破壊を好む残忍な性格。過去にヒーローたちと闘って死亡するも、死の女神ミストレス・デスの力によって蘇る。サノスはデスの寵愛を受けるため、インフィニティ・ジェムを手に入れるために破壊を繰り返す「狂神」と化す。
本作の最終ボスとして登場、ステージ開始時にこれまで集めたジェムは全てCPUサノスに奪われてしまう。なお、CPUサノスはジェムを発動することは無い。動きがやや重いが、攻撃力が非常に高く、わずかな手数で体力を一気に減らされる。各ジェムに対応した6つの特殊なインフィニティ・スペシャルはいずれも強力であり、苦戦を強いられることになる。得意ジェムは存在しない。サノスにはインフィニティ・スペシャルをくらわない限りジェムを落とさないという特性があるため、自然とジェムが溜まりやすい点も長所である。
6つあるインフィニティ・スペシャルは、それぞれ6つのジェムに対応した技であり、ジェムの有無に関わらずゲージを消費するだけで使用可能。反面、対空手段として使える技を持たないため、空中からの攻撃には弱い。簡単かつ強力なものや、練習が必要な永久連続技を持つ。アーケード版ではエンディングでマグニートーのメッセージがダミーで流れるが、家庭用ではエンディングの内容が2種類に分岐する。また、サノスのみ対戦画面と勝利メッセージ画面のグラフィックがそれぞれ異なる。
ドクター・ドームとサノス、及び後述するアニタは、アーケード版では特殊な設定をした状態で、家庭用版では一度ゲームをクリアした後でそれぞれ隠しコマンドを入力することで操作キャラクターとして使用可能になる。
その他
アニタ(Anita)
カプコンサイドからのゲストキャラクター。日本版のみ登場。『ヴァンパイア ハンター Darkstalkers' Revenge』に登場するダークハンターのドノヴァン・バイン (Donovan Baine) と行動を共にする、心を閉ざした幼い少女。本作ではアニタ自身がドノヴァンの魔剣ダイレクを使って闘う。ただし彼女の使用する剣はドノヴァンの物よりも一回り小さく、また刀身もピンク色でリボンが付けられている。
全キャラクター中最多となる4段ジャンプが可能。体が極端に小さい分、くらい判定も極めて小さい。通常技はいずれもダイレクを使ったもので、攻撃判定が大きく、6ボタンチェーンも可能。ドノヴァンの技を模した必殺技では豪鬼やリンリン(同じく『ハンター』に登場するレイレイの姉)を召喚し、インフィニティ・スペシャルの「ラブフォーユー」は首無しの人形から人形の頭を98個射出し、ガードされても大きく体力を削り取る。コンボ補正が掛かるため、密着状態で当てた場合のダメージはヒット・ガードを問わない。元々お遊びで追加されたキャラクターであり、その体の小ささのために攻撃も受けにくく、相手がまともに戦っても勝負にならないほどの強さを発揮する。アーケード版では石化グラフィックが用意されていなかったため、シュマゴラスとの対戦時に強制リセットが発生してしまうという事態も起こった。なお、得意ジェムはない。
アーケード版では対戦画面や勝利メッセージ画面でサノスのグラフィックが流用されていたが、家庭用移植版では対人戦画面のグラフィックのみ新規に描き下ろされ、対戦中の名前表示やサノスとの会話も修正された。勝利メッセージはアニタ本人の台詞ではなく、スタッフのメッセージやパロディ、ジョークなどで構成されている。固有のエンディングは用意されていないが、アーケード版では剣を残して石化したヒーローたちを助けた後にスタッフロールが2回流れる。家庭用移植版ではヒーローたちを救出せず、スタッフロールも1回のみ。彼女は落ち物パズル『スーパーパズルファイターIIX』の家庭用版にも登場し、本作と同じく「ラブフォーユー」を使う。フィニッシュ時に技名が表示されるなど、本作を意識した演出となっている。
移植版
セガサターン版とプレイステーション版は、どちらもキャラの動きのアニメパターンの削減が目立ち、ファンにとって満足のいく移植とは言えなかった。解像度の関係で画面配置も少し異なり、SS版では顔グラフィックが体力ゲージの下に表示され、PS版は体力ゲージがAC版の9分割から8分割へと変更された。
なお、セガサターン版の方は拡張RAMカートリッジ(別売り)に対応しており、使用すると読み込める画像枚数が増えてだいぶ滑らかな動きになるが、それでもなお完全再現には至らない。
新声社から、ゲーメストムックVol.27として本作の攻略本が発売されており、表紙はカプコンのスタッフが描いたイラストが使われている。その中身は、攻略・スタッフの対談、投稿されたイラストコーナーなど、充実した内容になっている。
『Sony Records』からオリジナルサウンドトラックが発売された。本編で使用されている全ての楽曲が収録され、ブックレットには音楽開発スタッフとゲーム開発スタッフの対談が収録されている。